関東・東北豪雨などで浸水被害を受け、現在堤防整備や橋の架け替えなどが進む豊穂川。新川橋は工事で通行止めになっている=9日午前11時35分、小山市大行寺、森田大地撮影

関東・東北豪雨で被災し、ボートで救出される地域住民=2015年9月10日午前、小山市大行寺

関東・東北豪雨などで浸水被害を受け、現在堤防整備や橋の架け替えなどが進む豊穂川。新川橋は工事で通行止めになっている=9日午前11時35分、小山市大行寺、森田大地撮影 関東・東北豪雨で被災し、ボートで救出される地域住民=2015年9月10日午前、小山市大行寺

 県内で初めて大雨特別警報が発表され、死者3人、住家6126棟で甚大な被害をもたらした2015年の関東・東北豪雨から10日で10年を迎える。県内で被害を受けた公共土木施設596カ所の復旧や改良工事などが完了する一方、復旧の過程で発生した台風19号などを受け、事業化された河道拡幅やトンネル整備などが継続している現場もある。頻発化、激甚化する豪雨への対策に終わりはなく、関係者は「ハード面の備えには限界があり、一人一人の防災減災への意識が重要」と改めて訴える。

 県によると、被害が大きかった鹿沼市や栃木市、日光市などで道路や河川、砂防施設での復旧に加え、河道掘削により流れる水の面積を広げたり、堤防の強度を高めたりするなどの工事が行われた。

 一方、4年後の19年に再び大きな災禍をもたらした台風19号が発生したこともあり、10年が経過した現在も大規模な工事が続いている場所もある。