エリザベス英女王死去のニュースが世界を駆け巡った数日後、共同通信が短い記事を配信した。見出しは「女王の愛犬、次男の元へ」。個人的に気になっていたことの答えでもあり、ほっとした。女王の次男アンドルー王子が引き取るのは牧羊犬コーギーのミックとサンディー。女王の棺を出迎える姿が印象的だった。

 コーギー好きで知られた女王は、生涯で30匹以上と暮らしたという。ダイアナ元妃は犬たちを「動く絨毯」と表現したとか。飼い主を見つめる犬と、応じてなでたりする飼い主には、「絆形成ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが増えるというデータがある。犬たちも、女王からの愛情を十分に感じていたはずだ。

 飼い主の社会的立場や経済力は、犬には関係ない。信頼できるかどうかだけが重要だから、相手が誰であろうと態度は変えない。そうした誠実さも、女王が犬を愛した理由の一つなのだろう。代々犬好きで知られる英王室。チャールズ国王らとともにどんな物語を紡いでいくのか見守りたい。