サッカーJ2第40節は9日、各地で6試合を行い、栃木SCは東京都町田市の町田GIONスタジアムで町田と対戦、1-0で勝利した。3試合連続無失点で5カ月ぶりの連勝。通算成績は11勝15分け14敗で勝ち点48。順位は17位から15位に浮上した。
前節から先発を5人入れ替えた栃木SCは、序盤から攻守で主導権を握る展開。42分にFKからMF佐藤祥(さとうしょう)が放ったヘディングシュートの跳ね返りをMF高萩洋次郎(たかはぎようじろう)が押し込み、加入後初ゴールで先制した。
後半は選手交代や布陣変更でテコ入れした町田に対し、集中を切らさず対応。何度かあった決定機を逃して追加点こそ奪えなかったが、終盤の町田の猛攻をしのいで1点を守り切った。
栃木SCは次節がホーム最終戦。16日午後2時から、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎで水戸と対戦する。
■チームが目指す理想 随所に
J2残留を決めても、栃木SCの成長は止まらない。「選手は野心や向上心を持ってやっていた」と勝因を挙げた時崎悠(ときさきゆう)監督。前節と同じスコアでも、中身は前節より充実。随所でチームが目指す理想へ近づいていた。
前半に表現したのは攻守の一体感と多彩さ。前線とボランチが町田の組み立てに絶え間なく圧力を掛け続けた。ボールを奪うとすぐさま攻撃を展開。速攻だけでなく急所を突くスルーパス、サイド攻撃と揺さぶり続けた。
1・5列目に入ったMF谷内田哲平(やちだてっぺい)は「守備も攻撃も連続してやるのが大事だった」。後半は前線の守備を町田にかわされたが、自陣を固めた守備で対抗。「速攻も遅攻も、ハイプレスもブロックを構えた守備も、しっかりやれたと思う」と指揮官は喜んだ。
ホーム最終戦の次節が成長を証明する格好の舞台だ。今季初の3連勝と「北関東ダービー」制覇へ大きく前進する水戸戦。「マジで次が大事。相手も気合が入っていると思うけど、勝って決めたい」。MF佐藤祥(さとうしょう)の言葉はチーム全員の決意だ。