自転車に乗る学生ら=4月下旬、宇都宮市江野町

通学時の自転車事故 1当割合ランキング

自転車に乗る学生ら=4月下旬、宇都宮市江野町 通学時の自転車事故 1当割合ランキング

 栃木県内で2021年に発生した自転車通学中の事故のうち、中学生が過失の重い「第1当事者」(1当)になった割合は55.9%で、全国ワースト1位だったことが18日までに、民間組織「自転車の安全利用促進委員会」(東京都)の調査で分かった。同1位は19年以来2年ぶり。高校生が1当となった割合は同2位だった。他県に比べ、ともに単独事故が多かった。県警は余裕を持った自転車の運転などを呼びかけている。

 同委員会は、自転車に関する団体の代表者らで組織する。調査結果は「交通事故総合分析センター」(東京都)のデータを基に分析し、9月に公表した。

 調査結果によると、21年は県内で、通学中の中学生の自転車事故が前年比13件増の68件発生。人口1万人当たりは13件で、同5位に当たる43位だった。生徒が1当だったのは38件で55.9%となり、全国平均の19.6%の3倍弱だった。順位は20年のワースト6位に当たる42位から後退した。

 高校生が絡む事故は22件増の142件で、人口1万人当たり27.6件。生徒が1当だったのは64件で45.1%に上り、全国平均19.1%を大きく上回った。

 県警交通企画課によると、当事者が1人しかいない単独事故でも1当として計上している。中学生が1当だった38件のうち、段差での転倒などの単独事故が半数以上の22件。一時不停止や信号無視などによる出合い頭の事故が13件だった。

 高校生も64件のうち単独事故が半数弱の29件、出合い頭の事故が26件だった。

 同委員会によると、1当とする判断の仕方は各都道府県警で異なる。調査結果には単独事故が含まれていない県もある。

 県警の担当者は全国下位となった調査結果を受け「ハンドル操作やカーブの曲がり方など、基本的な自転車の乗り方を徹底し、時間に余裕を持った運転を心がけてほしい」と呼びかけている。