さしみ五点盛り定食

食堂に隣接する鮮魚店で作業する小暮さん(左)と百合子さん

さしみ五点盛り定食 食堂に隣接する鮮魚店で作業する小暮さん(左)と百合子さん

 地域の人たちには今も、かつての屋号「小暮冷蔵庫」で親しまれる。

 創業した1923(大正12)年から60年代まで、この店では鮮魚販売のほか氷の卸が営まれていた。その象徴が、かつて氷の保存などに使った巨大冷凍庫だ。店名を「小暮商店」に変更し、「まちの魚屋さん」として本格的なスタートを切った後も店の中央部に鎮座し、発展を見守ってきた。

 食堂を併設したのは約25年前だ。当時は佐野駅周辺で区画整理が行われ、「あるとき、近くで工事していた大工さんがご飯持参で刺し身を売ってほしいとうちに来てくれたのがきっかけだった」と、社長の小暮幸雄(こぐれゆきお)さん(72)は振り返る。

 人気メニューの「さしみ五点盛り定食」(1100円)は、マグロや白身、甘エビ、イカ、タコの刺し身のほか、焼き魚などが盛られた小鉢も付く。隣の鮮魚店でさばいた魚をそのまま提供するとあって、鮮度の良さが最大の売りだ。

 来年は創業100年の節目の年。小暮さんと共に店を切り盛りする妻の百合子(ゆりこ)さん(67)は「お客さんの笑顔を励みにここまで来られた。これからも健康に気を付け細く、長くやっていければ」と白い歯を見せる。

 ▼メモ 佐野市若松町356。午前10時~午後8時。日曜定休(祝日は営業)。(問)0283・22・0618。