サツマイモ栽培に挑む2人の若手農家

 

 「秋の味覚」といえば食物繊維が豊富でホクホク食感がたまらないサツマイモ。焼き芋や天ぷら、スイートポテトなど調理方法も幅広く、最近はスイーツとして販売する店舗も増えています。

 JAしおのやでは、そんなサツマイモに注目し2021年3月に「さくらさつま芋部会」を設立。現在30軒ほどの農家が加入しています。今回紹介するのは、高根沢町で主に水稲栽培を営む村上尚成(むらかみ ひさなり)さんと田代裕紀(たしろ ひろのり)さん。地元の若手農家が集まる「4Hクラブ」でも面識のあった2人は、農業生産法人「株式会社和みの杜」からサツマイモ栽培を勧められたのをきっかけに、今年から共同でサツマイモ栽培を始めました。

 「4Hクラブ」でサツマイモの栽培経験があった2人は、5月から40アールの畑で「紅はるか」を栽培。「サツマイモは水稲栽培と両立がしやすく、比較的手がかからない点が魅力です」と話します。

高根沢町の新たな特産品に育てたい

 サツマイモは5月中旬に畝(うね)上げをし、下旬から6月上旬に定植します。比較的栽培しやすいといわれますが、水はけが悪く冠水してしまうと根腐れしてしまうこともあるため、梅雨の時期と重なる定植のタイミングや台風には特に注意したそうです。現在収穫・出荷の最盛期ですが、幸い病害虫の被害や茎葉ばかりで芋が育たない「つるぼけ」の症状もなく、とてもおいしく良い出来だそうです。

 2人が栽培したサツマイモは、JAしおのや産として「和みの杜」で加工される干し芋用、また道の駅たかねざわ元気あっぷむらで販売される焼き芋用としても使われます。

 2人は「高根沢町の新たな特産品としてサツマイモを広めたい」と力強く話します。将来はサツマイモを加工して販売する6次化にも挑戦したいそうです。

 サツマイモのおいしい食べ方を伺うと、「紅はるかは蒸すことで甘さが際立つので電子レンジ用の蒸し器で調理して食べる」という村上さん。みそ汁の具として入れるのもお勧めだそうです。これから寒さも厳しさを増す中、ホクホクして甘いサツマイモを召し上がってみてはいかがでしょうか。

 お問い合わせは、JAしおのや営農部園芸課☎028・681・7554