非農家からイチゴ農家へ一念発起

ビタミンCをたっぷり含んだ赤い果肉で、子どもから大人にまで愛される栃木県を代表する作物といえばイチゴ。なかでも大きさのインパクトや糖度と酸味のバランスのよさ、そしてジューシーさが特徴的な品種が「スカイベリー」です。「栃木県苺(いちご)発祥の地」の碑がある足利市で、スカイベリーに魅了され非農家から新規就農したイチゴ農家がいます。JA足利いちご部会に所属する佐藤雄輝(さとう ゆうき)さんです。

小さい頃から植物・動物問わず生き物の世話が好きだった佐藤さんの前職は、犬のブリーダー。「とにかく人の縁に恵まれた」と語る佐藤さんは、ふとしたきっかけからイチゴ農家であり農業士でもあった現部会長と知り合い、非農家からでも就農できることを知り一念発起。JA足利と足利市の支援の下、1年間の研修を経て3年前に就農しました。現在は研修先農家から借りた23㌃の土地に、ハウスや設備、作業用のプレハブを自前で設置し、母と妹、数人のパート職員で栽培しています。
おいしいスカイベリーへの探究と挑戦
「スカイベリー」はとてもデリケートな品種で、「生育状況に合わせて、こまめに水や肥料を与えるのが、大きくておいしいイチゴを栽培するポイント」と話す佐藤さん。ハウス内は機械による自動化も進んでおり、液体肥料をあらかじめ設定した濃度で追肥できるようになっています。また、衛生管理と大きい果肉にするための両方の観点から、「ランナー」とよばれる余分に伸びた茎を頻繁に処理するなど、手間を惜しみません。そのかいもあって、昨年は10㌃当たりの収量「単収」で表彰され、大きな手応えを感じたそうです。新しい栽培方法も積極的に取り入れ、月の満ち欠けのタイミングで肥料の与え方を工夫するなど、おいしい「スカイベリー」への探求は続きます。

現在、出荷の最盛期を迎えている佐藤さんのスカイベリーはJA足利を通じて全国へ。足利市内の直売所などでも購入できるそうです。「これからもスカイベリーの魅力やおいしさを全国に届けたい」と語る佐藤さん。自身がそうだったように、新規に就農するイチゴ農家への支援なども行い、栃木県のイチゴを盛り上げていきたいと考えています。
お問い合わせはJA足利販売推進課☎0284・22・4433へ。