田村 真也さん(42歳)
田村 真也さん(42歳)

先端栽培で3品種を栽培

 アンデス原産で、古代メキシコ語で「ふくらむ果実」という意味のトマト。赤い色素のリコピンには抗酸化作用があり、サラダをはじめ毎日の食卓には欠かせない食材です。県南部地域は冬の日照時間が長く、昔からトマト栽培が盛んな土地ですが、野木町もその一つ。今回紹介する田村 真也(たむら・しんや)さん(42歳)はJAおやま東部トマト部会に所属し、青年部会長を務め、両親の代からトマト栽培を営む一人です。現在、50㌃・4棟のハウスで「麗妃(れいき)」「かれん」「麗容(れいよう)」の3品種を、両親と従業員4人の計7人で栽培しています。

 田村さんが農家を目指したのは中学生の頃。学校の職業体験で実家の農業を体験したのがきっかけでした。その後、宇都宮白楊高で生物工学を、東京農業大短期大学部で生物生産を学び、卒業後実家に戻り就農。5年ほどたった頃にハウスを建て替え、先進的なロックウール栽培(土を使わず、鉱石を繊維状に加工した人工培地)を導入し、その頃からトマト農家としての自覚も一層強くなったと話します。

食欲をそそる真っ赤なトマト
食欲をそそる真っ赤なトマト

環境制御と経験がおいしさの秘訣

 トマト栽培は7月下旬から始まり、10月頃から翌年の7月半ばまで収穫と出荷が続きます。収穫期間が長く外の環境が大きく変化するため、ハウス内を常にトマト栽培に最適化する「環境制御」が重要とされ、機械化・自動化により、細かく管理されています。なかでも田村さんがこだわっているのが肥料や水に関する「肥培管理」。生育状況を見ながら日々調整しています。

 毎年2月上旬には規格確認会も実施。大きさや色などをそろえることで部会としても品質向上に取り組んでいます。田村さんは「今年も例年同様、おいしいトマトができました」と答えてくれました。

ロックウール栽培で太陽に向かって高く伸ばす
ロックウール栽培で太陽に向かって高く伸ばす

 田村さんのトマトは、JAおやまを通じて京浜や東北の五つの市場に出荷されるほか、近隣の直売所でも販売されています。「ヘタがしおれていないしっかりしたトマトがおいしいです。室温に置いて“追熟”させると味が濃くなりますよ」とアドバイス。食べ方は生食以外に、お米と一緒に炊き込みごはんにするのもお勧めだそうです。

 「どの時期にどんな風に食べてもおいしいトマトを作りたい」と抱負を語る田村さん。

 真っ赤に実ったトマトは今が収穫と出荷の最盛期。ぜひ召し上がってみてください。

 お問い合わせはJAおやま営農経済部園芸販売課☎0285・38・2373へ。