体がだるい、やる気が出ない、すぐにイライラする-。中高年男性が自覚する心身不調の背景の一つに、「男性更年期障害」が指摘されている。男性ホルモンの急減が原因で発症し、家庭や職場の人間関係を悪化させてしまうケースもある。認知度はまだ低く、専門家は周囲の理解や男性が社会的な居場所を持つことが重要だという。19日は男性の健康や幸福に目を向ける「国際男性デー」。

 男性更年期障害は、男性ホルモンのテストステロンが社会的な環境の変化やストレスなどにより急激に減少することで発症する。

 順天堂大大学院特任教授で、泌尿器科が専門の井手久満(いでひさみつ)医師によると、男性ホルモンの分泌量は20歳ごろをピークに、加齢とともに緩やかに減少する。井手医師は「管理職など社会的ストレスがかかりやすい40代後半から50代が最もリスクが高い」と指摘。女性は閉経後に症状が落ち着くのに対し、男性は何歳でも発症する恐れがあるという。