千葉県で大繁殖し、本県への生息地域拡大が懸念されるキョン(千葉県提供)

 千葉県内で大繁殖し、栃木県への接近も懸念されている特定外来生物「キョン」。繁殖力が高く、農作物が荒らされる上、鳴き声も“人が苦しむよう”で不気味とさえ言われる。実際、どんな生態なのか。

 

 農林水産省が公開しているキョンの鳴き声(上)

 農林水産省監修の「野生鳥獣被害防止マニュアル【中型獣類編】」によると、キョンは中国南東部や台湾を原産とする小型のシカ科の動物。成獣でも体の大きさは中型犬ほどで、オスのみに角と牙がある。

 国内では観光施設から逃げ出した個体を起源に、千葉県や東京都伊豆大島に生息しているとされる。繁殖可能な成獣のメスが本州で確認されているのは千葉県南部となっているが、