卒業シーズンに向け那須烏山市小原沢の福田製紙所の工房「和紙の里」で、卒業証書用の烏山和紙作りが、急ピッチで進んでいる。

一つ一つ手作業で行われる卒業証書の紙すき作業=23日午前11時5分、那須烏山市小原沢
市特産の烏山和紙は厚手で丈夫なのが特長で、毎年、県内外の小中高校などの卒業証書に使われている。今年は約130校から約2万3千枚を受注。昨年9月から製作を始め、3月上旬までに納品を終える予定だ。
23日は従業員ら3人が作業。同製紙所の県伝統工芸士福田長弘(ふくだながひろ)さん(57)は、煮てほぐした原料の那須楮(こうぞ)を水槽に入れた後、厚さが均一になるよう数回すき桁ですくい上げて水を切り、校章入りの和紙を手作業で一枚一枚完成させていた。
福田さんは「卒業という大切な日に渡すものなので丁寧に仕上げている。和紙は長持ちするので末永く大切にしてほしい」と話していた。
(河野光吉)