身の回りの自然をよく見ていくと、自分の中に「自然観」のようなものが生まれ、言葉をより多く使って表現したくなってきたんです。童話を書こうというのではありません。絵もたっぷりある「長編絵本」に挑戦しようと考えたのです。

 取材の舞台を、これまでの身の回りから日本中に広げようと思い立ちました。主人公が草原から谷を越え、森を抜け、山の頂上を目指して登っていきます。途中でそれぞれの環境の中で暮らすさまざまな生きものたちに出会いながら。