下野市下古山の若林公園の水道水から国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム)を超える52ナノグラムの有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、市は4日、同市上古山の石橋北小敷地内に臨時給水所を開設したほか、夜には住民説明会を開いた。給水所には177組が訪れ、説明会も用意した100席が満席に。市職員らは終日、原因究明と早期の水質改善を求める住民らの対応に当たった。

臨時給水所で、飲料水が入った給水袋を受け取る住民(手前左)ら=4日午前9時、石橋北小
臨時給水所で、飲料水が入った給水袋を受け取る住民(手前左)ら=4日午前9時、石橋北小

 臨時給水所では市職員数人が給水タンクの蛇口から6リットル分の給水袋に水を入れ、地域住民らに手渡しした。住民の多くは車で訪れ、順番待ちの列ができる場面も。午前9時~5時半ごろの間に879袋を配った。

 市は給水所に来られない人向けに水入りの給水袋の配達も行い、4日は13軒に計36袋を届けた。また区域内の上水道利用者には飲料用浄水器の購入補助を出す。市には同日までに30件の相談があったという。

 市は3日、全庁的対応に向け市災害対策本部を設置し、職員約70人がかりで若林公園のある石橋第2配水区域内の市民に節水を呼びかける文書を配った。本部長の坂村哲也(さかむらてつや)市長は4日の記者会見で「同区域の水源の井戸3カ所には余力がなく(給水量が減るため)原因の井戸を使用停止にできない」とし「1~2年内に新たな井戸の増設や配水場への浄化施設の設置などを検討している」と述べた。水道水は週1回、井戸水は月1回検査することも決めた。

PFASについて市民に説明する市上下水道局の職員ら=4日夜、下野市下古山
PFASについて市民に説明する市上下水道局の職員ら=4日夜、下野市下古山

 説明会は午後7時から約2時間、下古山の市保健福祉センター「きらら館」で開催。

説明会は5日午後7時と8日午前10時からも、同館で開かれる。