宇都宮に雪が降った2月2日。出社すると、自席周辺の暖房が故障しているとのこと。

 「確か、デスクの引き出しに保管しておいたはず…あった!」

 こんなときに頼りになるのが使い捨てカイロだ。しかし、袋の有効期限欄に「2015・4」と印字されている。「有効期限内にご使用ください」との注意書きもある。大丈夫なのか。

有効期限欄に「2015・4」と記された使い捨てカイロ
有効期限欄に「2015・4」と記された使い捨てカイロ

 販売元のホームページによると、有効期限を過ぎた場合は「全く使えなくなることはありませんが、徐々に性能が下がり、持続時間が短くなる、温度が高くなる場合があります」という。持続時間が短くなるのは想像できるが、温度が高くなるのは意外だ。

 問い合わせてみると「カイロの原材料に入っている水分が蒸発していくため塩分濃度が高まり、より酸化スピードが速まることで反応が加速して、急に熱くなることがあります」との回答だった。使い捨てカイロは鉄粉が酸化して発熱する仕組みだが、水分と塩分濃度が関係していた。

 開封すると、外見は少し厚みがなくなってつぶれたように感じだが、異常はない。間もなくほんのりと温かくなり、「まだ使える」と思ったのもつかの間、10分ほどで力尽きた。

筆者のデスクの引き出しから出てきた「10年もの」の使い捨てカイロ
筆者のデスクの引き出しから出てきた「10年もの」の使い捨てカイロ

 このカイロの製造元は、栃木市内に本社があった「マイコール」。現在は日用品大手エステー傘下の「エステーマイコール」となり、本社は東京都内、栃木市内には工場がある。時の流れを感じつつ、「マイコール」のロゴの懐かしさで少し温かい気持ちになれた。