春の訪れを告げる「ザゼンソウ」が、栃木県大田原市北金丸の群生地で咲き始めた。

落ち葉が積もる湿地で開花したザゼンソウ=12日午前11時40分、大田原市北金丸
群生地は同市天然記念物に指定され、地元住民でつくる「北金丸ザゼン草を守る会」が中心となって保全活動に取り組んでいる。
敷地を管理する同所、農業林田恬(はやしだしずか)さん(79)によると、今年の開花は例年より2週間ほど遅いというが、12日現在で約20株が咲いている。見頃は2月下旬から3月上旬まで。
この日、訪れた人たちは木道を歩きながら足元に目をやり、落ち葉の中から顔を出す小さな“春”を探していた。
ほぼ毎年夫婦で足を運ぶという千葉県柏市、萱間茂(かやましげる)さん(76)は「まだ数は少ないが今年も見られて良かった。こうした自然を守ってくれる人がいるのはありがたいですね」と話した。