
地域特化型事業承継・M&A(企業の合併・買収)プラットフォームサービス「ツグナラ」運営を手掛ける経営コンサルティングのサクシード(宇都宮市)。水沼啓幸社長(47)は2030年までにツグナラを全国に展開し、日本の中小企業における事業承継課題の解決を目指す考えだ。
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-銀行員から独立した経緯を教えてください。
「32歳で独立しました。同世代に社長の息子、娘が多い世代です。多くは親の世代が高度成長時代に創業し、最近になって事業承継の時期に差し掛かっています。営業が得意、腕がいい職人である、部品の加工が得意という理由で起業した人が多く、実業務においては得意技を持っているのですが、経営に関しては苦手な人が多いのが実情です。しかし、それでは人もうまく雇えず、お金も管理できない、数字などを可視化しないでどうやって経営を行っていくのかと銀行員として思いながら従事していました。同世代の後継者たちが会社を継ぐときには悩むだろう、隣でサポートする機関が必要だろうと」
「10年のサクシード設立当時、コンサルティングサービスを活用する県内の企業は少なく、活用する場合は主に東京の大手コンサルティング会社に依頼をしていました。ただ、費用が高く、距離がある分、手軽さがありませんでした。地域内に民間のコンサル機能があればよりスピーディーに対応でき、さらには適正な価格でサービスを受けていただくことができる、地域マーケットを熟知した担当者が支援できれば、より経営者に寄り添った状態でサポートできるのではないかと思いました。同世代の後継経営者にとって、これから待ち受ける試練を専門家と一緒に乗り切りたい、そのニーズは高いと考え、事業承継を専門にサポートしようと、社名を『引き継ぐ』を意味するサクシードにしました」

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