静岡市で3月に行われたスポーツチャンバラの全国大会で、大田原市美原1丁目の道場「夢翔館(むしょうかん)大田原」の選手が躍動した。団体戦・基本動作部門では、平山怜(ひらやまれん)さん(16)=矢板東高2年=と磯芽依(いそめい)さん(16)=大田原女子高2年、弟の磯慶多(いそけいた)さん(14)=西那須野中3年=が出場し優勝。大規模大会で同部門を制するのは初めてで、3人は「悲願がかなった」と喜んでいる。
第46回全国少年少女選手権大会は3月23日、静岡市由比体育館で行われた。同部門は3人一組で形の正確性などを競う。
夢翔館の3人は昨年12月の世界大会決勝で惜しくも敗れた。大会後、「そろえられるところはとことんやろう」と、技の動作に加えて、競技前のあいさつから声の出し方まで、ズレがないよう徹底的に練習した。
大会当日は細かい点を修正しながら順調に駒を進め、迎えた決勝戦。世界大会で敗れた大阪府のチームとの再戦になった。
「常に決勝を想定して練習してきた。集中していた」と、3人は一糸乱れぬ動作を披露。腕の角度、歩幅、構えを戻すタイミング-。約1分間の短い競技時間に全て注ぎ込んだ。7人の審判のうち4人が夢翔館チームの旗を揚げ、勝利をつかんだ。
小学生時代から一緒に練習してきた3人。磯きょうだいは「やっと報われた」と相好を崩す。平山さんは競技歴9年目で初めて優勝を経験。加えて個人の「長剣フリー」「長剣両手」も制し、3冠に輝いた。「長かった。ようやく結果を出せて本当にうれしい」と喜びを語った。
大会では夢翔館の後輩たちも活躍した。江連晃希(えづれこうき)さん(12)=西那須野中1年=は「小太刀5・6級」を制した。身長147センチと小柄だが、しゃがみ込んで脚を狙う戦法でリーチ差のある相手を次々と攻略。「他種目でも入賞できるように頑張る」と飛躍を誓う。
桜井煌大(さくらいこうた)さん(12)=矢板東高付属中1年=は「長剣両手4~10級」で優勝。カウンターを軸にしたスタイルで勝ち上がり、決勝では以前敗れた1学年上の選手に雪辱。「勝ちたい気持ちを強く持って試合に臨んだ。全国での優勝は初めてでうれしい」と声を弾ませた。