【那須塩原・那須】行方不明になった80代女性を発見、保護したとして、那須塩原署はこのほど、那須町豊原丙、民生委員渡辺昭一(わたなべしょういち)さん(73)に感謝状を贈った。渡辺さんは高齢者の見守り活動を行うボランティア団体「夕狩みまもりたい」のメンバーで、非常時の対応を共有する老人ホームの要請を受け捜索に当たった。2023年7月の団体結成後、行方不明者を保護したのは初めてという。
同団体は、町北部の夕狩地区の民生委員や隣接する福島県西郷村の住民ら約20人で組織。地域の高齢者の安否確認や病院への送迎などを行うほか、行政や福祉施設と連絡先を共有するなど、行方不明者が出た場合の捜索態勢も整えている。
渡辺さんは2月1日午後6時半ごろ、町内の老人ホームから「女性の行方が分からなくなった」と連絡を受けた。数年前にも女性が行方不明になった際、保護されたという国道4号を捜索すると、約15分後に施設から2キロほど離れた場所で歩道を歩く女性を見つけた。
名前を呼びかけると返答があったため、渡辺さんの車で保護。女性を捜していた職員と合流し、一緒に施設まで送り届けた。当時は気温が氷点下3度。みぞれも降る悪天候だった。女性は薄着で、疲弊しきった様子だったという。
同署で感謝状を手渡した平山信行(ひらやまのぶゆき)署長は「時季的に生命の危険がある状況だった。一つの命を救うことができて大変ありがたい」と感謝。渡辺さんは「組織が機能して良かった。今後も行政や警察と連携して早期保護に努めたい」と話した。