JR宇都宮駅東口の複合施設「ウツノミヤテラス」に24日、県内のほぼ全蔵元の日本酒などを試飲できる施設がオープンする。酒類販売業の嶋田屋本店(鹿沼市西茂呂3丁目)が出店する「嶋田屋酒店宮みらい店」を改修した。20人ほどが立ち飲みで利用でき、県産の純米酒3銘柄の試飲を1200円から楽しめる。昨年1月には宇都宮市内の県酒造組合の試飲施設「酒々楽(ささら)」が閉館。その後、県産日本酒の多くを一堂に試飲できる場はなく、新たな施設は魅力発信の拠点となりそうだ。
同社によると、試飲施設は約40平方メートル。カウンターとテーブルがあり、県内28の蔵元の日本酒を用意する。その他、焼酎やワイン、リキュール、クラフトビールといった県内の酒類約100種などを提供する。
同社は2022年8月、ウツノミヤテラスの開業当初から同店を出店している。酒類販売に加え、カウンターを設けて5人ほどが立ち飲みで県内約15蔵元の日本酒などを試飲できるサービスを提供。旅行者や県内のファンらに人気だった。
今回はウツノミヤテラス内の隣の店舗が空いたため、試飲施設の設置を決めた。嶋田有志(しまだゆうじ)社長は「酒店は酒を製造する蔵元に代わってその酒の良さを消費者に伝え、販売する使命がある」と話す。
県内30の蔵元で組織する県酒造組合は宇都宮市本町で、本県の地酒を1杯100円から楽しめる試飲施設「酒々楽」を1999年から運営してきた。しかし建物の老朽化などに伴い、昨年1月に閉館した。
こうした現状を踏まえ、嶋田社長は「リアルで試飲し、気に入ったら購入できる店が必要。ここから日本酒はじめ県内のお酒の魅力を発信したい」と試飲サービスの重要性を強調する。本県を前面に打ち出し、県内外へのアピールを狙う。
試飲施設の開店時間は午前11時~午後8時半。多数の県外の酒も楽しめる。