感染症「百日ぜき」の患者が急増している。県内の今年の患者報告数は20日時点で91人に上り、既に2024年1年間の合計12人の7・5倍に達した。新型コロナウイルス禍の間収まっていた数が、コロナ禍前の水準に戻った形で、専門医は5類移行に伴う感染対策の緩和が影響しているとみている。マスク着用、手洗い、うがいの徹底といった基本的な対策やワクチンの追加接種の検討などを呼びかけている。

 県感染症対策課などによると、百日ぜきは飛沫(ひまつ)や接触で感染し、7~10日間の潜伏期間を経て発症する。主に子どもが感染し、せきが長引くといった症状が現れる。乳幼児は重症化しやすく、激しいせき込みや嘔吐(おうと)、無呼吸発作などの症状を伴い、死亡する場合もある。成人は症状が軽く、感染に気付きにくい。