那須塩原市青木の東北自動車道上り線で逆走した乗用車が別の乗用車に正面衝突した事故で、逆走車と色や形が酷似した車が、事故の数分前に黒磯板室インターチェンジ(IC)料金所を通過する様子が監視カメラに映っていたことが28日、捜査関係者への取材で分かった。車は、逆走する前に同料金所を一度出てから再び入る動きをしていたことも判明。県警は同ICから逆進したとみて、出入りの経緯などを調べている。

 事故は26日午後10時ごろ、那須IC-黒磯板室IC間で発生した。逆走車は黒磯板室ICから約500メートル北方で乗用車と接触しそのまま逃走。さらに約2・7キロ逆走し別の乗用車と正面衝突した。逆走した車を運転していた宇都宮市、職業不詳男性(42)、正面衝突された車を運転していた岩手県北上市、会社員男性(56)が死亡した。

専門家「間違って逆走する危険性がある」

 那須塩原市青木の東北自動車道上り線で26日深夜に発生し、3人が死亡、10人が重軽傷を負った多重事故で、逆走車が進入した可能性がある黒磯板室インターチェンジ(IC)のランプ線は、上り線の入り口と出口がY字状に平面で交差する形状となっている。県内唯一の信号機や標識が設置されているものの、物理的に車の進入を遮る構造物はない。専門家は「立体交差でなければ間違って逆走する危険性がある」と指摘している。