4連休となったゴールデンウイーク(GW)後半初日の3日、栃木県内は晴天に恵まれ、各地とも多くの観光客でにぎわった。飛び石連休や物価高などマイナス面も懸念されたが、アクセスしやすく、手軽に楽しめる観光スポットとして、近隣県から訪れる人の姿も目立った。

宇都宮餃子(ぎょーざ)会直営店「来らっせ本店」(宇都宮市馬場通り2丁目)には午前11時の開店前から400人以上の予約が入る盛況ぶり。都内や群馬県など関東近郊からの来客が目立った。
長野県飯田市から足を運んだ公務員西澤香鈴(にしざわかりん)さん(23)は「王道のギョーザもユニークな味も食べられて最高」と満足げ。「もっと遠出も考えたが、物価高でホテル代が高い。比較的近場で連休を楽しみたい」
同会の鈴木章弘(すずきあきひろ)事務局長(52)は「日の並びが悪かったので本当のGWはここから。ギョーザだけでなく宇都宮の魅力も味わってもらう機会に」と意気込む。
4月に新たなエリアがオープンした千本松牧場(那須塩原市千本松)にも朝から多くの家族連れが来場。名物のソフトクリームの売り場には長蛇の列ができた。
運営するホウライの森川禎一(もりかわよしかず)専務(61)は「GWが一番の書き入れ時。期間中は昨年の約2倍の集客を見込んでおり、スタッフを増員してお客さまをお迎えしている」と話した。
家族5人で訪れた埼玉県戸田市、パート従業員大林未歩(おおばやしみほ)さん(43)は「飛び石連休で遠出が難しかったので1泊2日で旅行に来た。ゆったりと楽しめた」と笑顔だった。
「いいこい」にちなんで1151匹のこいのぼりが掲揚されている栃木市中心部の巴波(うずま)川を運航する蔵の街遊覧船も多くの観光客でにぎわった。
通常の休日に比べて約3倍の乗客が見込まれるGWは船と船頭を増やして対応。船頭の藤沼美紀雄(ふじぬまみきお)さん(75)は「県外や台湾からの団体客が増えている。船頭が足りないくらいだ」とうれしい悲鳴を上げた。
同市内に帰省中の大阪府枚方市、会社員的場亮祐(まとばりょうすけ)さん(37)は家族6人で乗船。「子どもが小さいので連休中は近場でゆっくり過ごしたい」と話した。