センター内に設置した「居場所」

 鹿沼市はこのほど、市社会福祉協議会内に、市ひきこもり地域支援センター「あかりテラス」を開設した。ひきこもり当事者やその家族の支援に特化した市内の拠点施設として、相談業務や家族会の主催、講演会などを行う。支援の内容が手厚い同センターの設置は、県以外の県内市町で初めて。

 支援の対象は16~64歳の当事者や、その家族。市が市社会福祉協議会に運営を委託し、心理職を含む計5人が、電話や面談、メールで当事者や家族からの相談に応じる。施設内には「居場所」と名付けた、読書やゲームなど好きなことをして過ごせる30畳ほどのスペースのほか、野菜の栽培やメダカの飼育スペースも設けた。開設時間は、毎週火曜~土曜の午前10時~午後7時。毎月第3木曜には家族会を開催する。

 同センターは4月1日の設置から同月25日時点で、新規2件、市教委などから引き継いだ17件の支援に当たっている。担当者は「当事者にとって家以外の安全安心な居場所になればいい。気兼ねなく訪ねてきてほしい」と話している。

 市は2022年度の国の調査を基に、ひきこもり状態にある人が市内に約1100人いると推計。市が昨年度、厚生課内に設置した福祉まるごと相談室に寄せられた105件の相談のうち、27件がひきこもりに関連した内容だった。県内では同様の相談窓口として県子ども若者・ひきこもり総合相談センター「ポラリスとちぎ」がある。

 (問)同センター0289・65・5381。