ポンパドゥールピンクのトレー「淡紅地色絵金彩天使図四方皿」(1759年、Masa’s Collection)(提供写真)

 王妃アントワネットが流行させた服飾などの意匠を取り入れた「臙脂地色絵金彩真珠花文皿」(1784年、Masa’s Collection)(提供写真)

 欧州の貴婦人のドレス「ローブ・ア・ラングレーズ」(18世紀、共立女子大学博物館)(提供写真)

 フランス菓子店「ブールミッシュ」が母の日に向け販売しているショートケーキ「苺ブーケ」(提供写真)

 花々で彩った和光のオリジナルバッグ「MANACO(マナコ)」(提供写真)

 ポンパドゥールピンクのトレー「淡紅地色絵金彩天使図四方皿」(1759年、Masa’s Collection)(提供写真)  王妃アントワネットが流行させた服飾などの意匠を取り入れた「臙脂地色絵金彩真珠花文皿」(1784年、Masa’s Collection)(提供写真)  欧州の貴婦人のドレス「ローブ・ア・ラングレーズ」(18世紀、共立女子大学博物館)(提供写真)  フランス菓子店「ブールミッシュ」が母の日に向け販売しているショートケーキ「苺ブーケ」(提供写真)  花々で彩った和光のオリジナルバッグ「MANACO(マナコ)」(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【10日(土)】

 ▽「妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器 マダム・ポンパドゥール、マリー=アントワネット、マリー=ルイーズの愛した名窯」(~6月8日、渋谷区立松濤美術館)

 欧州最高の磁器の一つとされ、18~19世紀のフランスで国王や王妃、皇帝らに愛されたセーヴル磁器を紹介する展覧会が、松濤で開かれている。

 元々は王侯貴族による注文生産だったため、この時代のセーヴル磁器は世界的に現存数が限られているという。華麗な色彩で花模様や鳥、風景を描いた希少な国内コレクション約140点を一堂に集めた。学芸員の大平奈緒子さんは「当時は宝石や金銀ほどに高価であったといわれ、これだけの数の作品に触れる機会はめったにない」と話す。

 18世紀初頭、ドイツ・マイセンで欧州初となる磁器の製造に成功。同世紀半ばにフランス国王ルイ15世と寵姫ポンパドゥール夫人が王立セーヴル磁器製作所の設立に尽力し、東洋磁器とは異なる真の欧州磁器の様式がセーヴル窯で確立されたといわれる。この時期に花開いたロココ美術を反映した優美な絵付けと色彩、曲線が特徴。“ポンパドゥールピンク”色のトレー「淡紅地色絵金彩天使図四方皿」には、愛らしい天使の姿が描かれている。

 セーヴル磁器の最大のパトロンとなったのはルイ16世だ。ベルサイユ宮殿に飾り、外交の贈呈品としても使った。「臙脂地色絵金彩真珠花文皿」には、王妃アントワネット好みの華やかな服飾や室内装飾に共通する意匠を凝らした。

 フランス革命の後、帝政時代に入ると、記念碑的テーマの作品や公的なテーブルウエアが主流となる。ナポレオンの戴冠式を記念した「淡黄地色絵金彩花文動物図スープカップ」には帝政様式と呼ばれる荘厳さが漂う。

 「王妃らが注文した品々からその人の息づかいさえ感じられる。磁器を通して歴史や人間模様に触れてもらいたい」

 ○そのほかのお薦めイベント

 【10日(土)】

 ▽「絵画×ファッション―春にめぐる装いの世界―」(~6月21日、千代田区)

 18世紀から20世紀にかけての欧州の装いを、実物の衣装と絵画作品を通して紹介する展覧会が、一ツ橋の共立女子大学博物館で開催されている。

 展示作品は共立女子学園が研究・教育目的で収集した同館のコレクション。学芸員の石原ひなのさんは「衣服はどの時代も人間の生活に欠かせないモノで、社会を反映する。その変遷を伝えるため、保存衣装の数々や、当時の世相を描いた絵画や資料に光を当てた」と企画の意図を話す。

 目を引くのは18世紀の貴婦人が着用した「ローブ・ア・ラングレーズ」。織り地に花束やイチゴの模様が施されロココ期の宮廷文化の華やかさを伝えている。男性の宮廷衣装は、繊細な刺しゅうが縫われた豪華な上着とフランス革命期の簡素な衣服を展示し、歴史の転換を感じさせる。ブルジョア階級の台頭を描いた、英国の風刺画家ウィリアム・ホガースの作品の一場面も紹介している。

 19世紀に入ると“おしゃれ”が市民階級の女性たちにも広がった様子が、ファッションプレート(最新流行を伝える版画)の展示から伝わる。「衣装や装身具を作る女性労働者自身が流行の服を着るようになり、ファッションとしての衣服が特権階級だけのものではなくなっていった」

 ラファエル前派の画家たちは、古代ギリシャ・ローマや中世風のゆるやかな衣装の女性を描き、人間本来の美を提唱。20世紀にはスペイン出身の芸術家マリアノ・フォルチュニがドレス「デルフォス」で、コルセットから女性たちを解放した。「そのプリーツのデザインや機能性は三宅一生さんにも影響を与えたと言われている。衣服や絵画は社会の課題を解決する力を持っていると思う」

 ▽「ブールミッシュの母の日限定スイーツ」(~11日、中央区)

 フランス菓子店「ブールミッシュ」が母の日に向けた限定スイーツを、銀座本店などで販売している。

 クリームと共にイチゴやチョコなどをかわいらしい花束に見立てたショートケーキ「苺ブーケ」は特別な日にふさわしい。ベリージュレをサンドしたショートケーキ「メルシー・マム」や、フルーツを飾ったタルトも提供。1年に1度「ありがとう」の思いを込めて、甘くてやさしいケーキを“大切な人”に贈りたい。

 ▽「Amazing MANACO with DILIGENCE PARLOUR」(~14日、中央区)

 和光のオリジナルバッグシリーズ「MANACO(マナコ)」を、雑誌や広告で活躍するフラワーショップ「DILIGENCE PARLOUR(ディリジェンスパーラー)」による花々で彩った展示が、銀座の本店で行われている。

 “眼(まなこ)”から着想された商品のネーミングには、未来を見据えて明るく前に進むという意味が込められている。鮮やかでカラフルなバッグの数々と、生き生きした花のディスプレーのハーモニーが感じられる。

 【13日(火)】

 ▽「『アンチ・アンチエイジングの思想』刊行記念 上野千鶴子×國分功一郎トークイベント」(19時、豊島区・ジュンク堂書店池袋本店)

 社会学者の上野千鶴子さんが「老い」をテーマにした書籍刊行を記念して、哲学者の國分功一郎さんを迎えたトークイベントを池袋で行う。

 誰もがあらがえない老いの現実を直視し、“弱いまま尊厳をもって生きられる社会”の必要性について語り合う。14日15時~28日にオンライン配信も。