西川貴教がニューシングル「HEROES」(5月21日発売)で歌うのは、終わらない青春。キャリアを重ねてもなお「挑み続ける」姿で存在感を放つ西川の「この年代からでも、置き忘れてきたものを取りにいっていい」という熱い思いが楽曲からほとばしる。
アニメ「片田舎のおっさん、剣聖になる」のオープニング主題歌。物語で描かれる主人公と教え子たちの師弟関係から曲作りのイメージを広げ、「楽曲以外の部分でも意味のある作品になるんじゃないか」とロックバンド「Novelbright」の沖聡次郎に作曲を依頼した。
「僕の人生は西川さんの歌で大きく変わりました」と慕う沖。「クレジットで名前が並ぶよう、詞は絶対に西川さんが書いてください!」と要望したという沖が付けた曲の仮題は「HERO」。まるで、西川をヒーローとたたえるよう。「たくさんの思いを音に託してくれたのを感じて、聴くと泣けてきちゃって…。詞を書くのが大変でした」と西川は振り返る。
泥くさくあがき、何度でも立ち上がって乗り越えていく―。詞には、これまで気恥ずかしくて、周囲に見せてこなかった自身の苦闘を書いた。「しれっとやれるのが一番ですけど、このぐらいの年齢になってくると、本当に頑張らないとダメ。もう隠しきれません」。西川はそう苦笑するが、それはつまり、まだまだ頑張る、という決意表明でもある。
半ば沖に向けて詞を書き上げた西川の胸には「この曲を書いてくれた君も、もう誰かの“夢”になってる。君もヒーローだろ?」との思いが去来していた。タイトルは「HEROES」となった。
カップリングは、ソロプロジェクト「T.M.Revolution」で歌ってきた楽曲を思わせるハイテンションな「響ケ喝采」。「自分で自分のパロディーをしてるみたいで、面白いでしょう」。西川のデビュー以来変わらぬ魅力と、後進との熱い気持ちの呼応を味わえる。