【鹿沼】市は21日の市議会議員全員協議会で、公共下水道の使用料を来年4月分から11%引き上げる方針を明らかにした。一方で単身や高齢世帯に多い汚水量10立方メートル未満の世帯は料金を引き下げる。6月の定例市議会で条例の改正案を提出する。改定されれば12年ぶりとなる。
現行は汚水量10立方メートルまでは基本使用料1100円を一律に課し、1立方メートル超えるたびに超過使用料が上乗せされる。改定で基本使用料の枠を5立方メートルまでに引き下げ、金額を610円に変更。6~10立方メートルの世帯が新たに超過使用料を課されるが、受益者負担の観点から10立方メートル未満は現行よりも安くなるよう料金を設定した。対象の多い20立方メートルの世帯は、1月当たり2400円から2660円に上がる。
人口減や物価高が背景にある。下水道事業は使用料でまかなうのが原則だが、使用料は2013年度から据え置きで不足分を一般会計からの繰入金で補填(ほてん)している。改定により、使用料収入は年間5千万円ほど増える見込みだ。