「食品ロスが多過ぎる。(店舗は)なぜ廃棄をするのか」。「あなた発 とちぎ特命取材班(あなとち)」に、読者から一つの疑問が寄せられた。値引きすれば廃棄せずに済むのではないか-。消費者目線ではそう感じる人が多いかもしれないが、店舗側にとっては1商品当たりの売上額の減少を意味する。栃木県内のスーパーを取材すると、少しでも売り上げを確保しながら、食品ロスも出さないように工夫する店舗の苦悩が垣間見えた。

値下げコーナーの商品を整理する田村店長。「てまえどり」も呼びかけている=5月、宇都宮市
値下げコーナーの商品を整理する田村店長。「てまえどり」も呼びかけている=5月、宇都宮市

 「賞味期限間近のため、さらにお買い得な価格にしました」

 宇都宮市元今泉4丁目のスーパー「フードオアシスオータニ宇都宮駅東店」。パンや麺、大豆加工品など各売り場の一角に、値下げシールを貼った商品が集めて置かれていた。

 オータニでは廃棄を減らすため、商品ごとに設定した期間を過ぎると、段階的に値下げして販売するようにしている。田村正之(たむらまさゆき)店長(52)は、商品が空になった値下げコーナーを指して「多くのお客さまに手に取っていただけている」と効果を語った。