酒造業界の一大イベント、全国新酒鑑評会(酒類総合研究所など主催)の審査結果が5月21日に発表された。関係者やファンが熱い視線を送る鑑評会のこれまでを、「挑戦」というキーワードで2回に分けて振り返る。1回目は酒蔵の動向を総括する。
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2024酒造年度の鑑評会の濃厚な取材を通じ、「重み」をあらためて思い知らされた。
全国新酒鑑評会は1911(明治44)年に始まった。国の酒税確保の観点から製造技術と酒質の現状や動向を明らかにし、清酒の品質、製造技術の向上を図ることが目的。
100年以上の歴史を持ち、全国規模で行われる唯一の鑑評会だ。近年、民間のコンテストが国内外で行われ、受賞が話題になるが、全国新酒鑑評会は吟醸酒を造る力のある国内ほぼ全蔵800以上が、その蔵が最上の出来と考える1点を出品する“真剣勝負”の場だ。県酒造組合の島田嘉紀(しまだよしのり)会長は「他のコンテストとは別格」と評する。

今回は809点が出品された。このうち「成績が優秀と認められた出品酒」410点が入賞酒となり、「入賞酒のうち特に成績が優秀と認められた出品酒」202点が金賞酒に選ばれた。金賞は全体の約4分の1。各蔵は金賞受賞を酒造技術力の“公的”評価としている。
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