受動喫煙防止に向けて、県が禁煙に積極的な店舗や施設を登録する制度「とちぎ禁煙推進店」の登録件数が伸び悩んでいる。2015年11月に始まり、原則屋内禁煙を定めた20年4月の改正健康増進法の全面施行前に増えたが、24年度は初めて減少に転じ、今月14日時点で693店。施行5年が経過して下火となっている。同法は条件を満たす飲食店の喫煙を可能とするなど例外規定が多く、客減少を懸念する店舗には禁煙が広がっていない。31日は世界禁煙デー。

とちぎ禁煙推進店は飲食店や小売店、宿泊施設、保健・医療・福祉施設、金融機関などが対象。登録されると、無料で配布される「敷地内禁煙」か「建物内禁煙」のステッカーを入り口に貼ることができ、県の特設サイトでもPRする。
登録店の推移を見ると、18年度末時点は278店だったが、学校や病院などを敷地内禁煙とする一部施行があった19年度末は524店と2倍近く増加。23年度末は700店に達したが、店舗の閉店数に対して増加ペースが鈍化し、24年度末は691店に減少した。

施行から5年 「規制が中途半端」
受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の全面施行から5年。店舗・施設側の意識は一定程度高まり、本県の喫煙率は低下しつつあるが、同法は例外規定が多く、全国では禁煙の飲食店は6割にとどまる。県立がんセンター禁煙指導科の神山由香理(かみやまゆかり)医師は「規制が中途半端」と見直しの必要性を訴えている。
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