酒造業界の一大イベント、全国新酒鑑評会(酒類総合研究所主催)の審査結果が5月21日に発表された。関係者やファンが熱い視線を送る鑑評会のこれまでを、「挑戦」というキーワードで2回に分けて振り返る。2回目は下野新聞の報道を「辛口」検証する。
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今回で113回目となった鑑評会。だが、10年前の弊紙紙面での扱いは小さい。経済面のベタ記事で、金賞受賞の蔵元と銘柄だけを報じただけだった。その後は金賞受賞数の全国順位を盛り込むなど、鑑評会のニュース価値を引き上げてきたが、それでも写真はない。経済面2番手の扱いにとどまっていた。
昨年の鑑評終了後、三浦一久(みうらかずひさ)編集局長が、隣県の地方紙「福島民報」を持って筆者に歩み寄り“問題提起”した。鑑評会のニュースが1面をほぼ埋め尽くし、社会面などで大展開している。「福島はこんな報道を行っている」


福島県は鑑評会の金賞数で21酒造年度まで9連覇していた「王国」だ。業界や行政の力の入れようはレベルが違う。今年も発表当日は、福島市内で知事、金賞受賞蔵元が出席するセレモニーが開かれた。来場者に酒を振る舞って喜びを分かち合いながら福島の酒の魅力発信につなげている。
福島県酒造組合加盟の蔵元数は、栃木県の倍以上の62蔵ある。金賞の数では栃木県は不利だ。そこで弊紙が着目していたのは、出品数に対する金賞酒の割合を示す「受賞率」だ。
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