田中直樹

 イベントに登壇した田中直樹(手前右)ら

 「海の生き物がすみよい環境になるようにと、僕はゴミの分別やフードロス削減から始めています」と話す田中直樹=東京都渋谷区

 田中直樹  イベントに登壇した田中直樹(手前右)ら  「海の生き物がすみよい環境になるようにと、僕はゴミの分別やフードロス削減から始めています」と話す田中直樹=東京都渋谷区

 「海のエコラベル」をもっと知って―。お笑いコンビ「ココリコ」の田中直樹は国際組織「MSC(海洋管理協議会)」日本事務所のアンバサダーを務める。持続可能な方法で取られた水産物の証しであるエコラベルを広める活動を続けてきた。

 生き物は微生物からどんどん進化し、ヒトへとつながる。「系譜があり、お互いに関係し合っている。だからすべての生き物をリスペクトするんです」

 物事がうまくいかない時期を過ごした20代後半、生き物への関心が自身を楽にしてくれたという。生態を知るにつれて「生物学上のヒトにとっては、食べて寝られるだけで満足なことなんだ」と気付いた。自然と幸福感や自己肯定感が湧いてきた。

 自然から得た見識はお笑いに通じる。「魅力のない生き物なんていないんです。仕事で接する人の良いところや悪いところを『面白いな』『いとおしいな』と感じられることで、笑いを生む心の幅は広くなっていったと思います」

 そうした思いからアンバサダーを引き受けて8年目。「海洋生物の生態系を意識するようになりました」「海のエコラベルの商品を買いました」と声をかけられるようになり、手応えを感じている。

 気候変動や海洋生物を取り巻く環境の変化など地球規模の課題に「大人も子どもも一緒に小さな取り組みから始めることで、解決への道に向かっていけるはずだと僕は信じています」と語った。