英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のダンサー、栗原ゆうが今秋、最高位プリンシパルに就任する。入団から7年、着実にステップアップしてきた。来日公演のステージ上でカルロス・アコスタ芸術監督が直々に任命、会場は歓声と拍手に包まれ、本人からガッツポーズも飛び出した。
6月21日の東京公演「眠れる森の美女」で主役のオーロラ姫をたおやかに踊った栗原。カーテンコールでアコスタ監督からプリンシパルへの就任を告げられると、胸に手を当て大きな目をうるませ感極まった表情になった。
終演後の取材では「ただただ感動して、うれしいの一言です」と笑みがはじけた。ひざのけがを抱えての舞台だったといい「達成できて涙がすごい出てしまった。日本の方への恩返しの意味でも特別な舞台になりました」。
ガッツポーズについては「周りのダンサーが本当に温かくて、支え合ってきたので、みんなに向けて『やったぞ』って」とはにかんだ。
2018年入団の栗原は、現在26歳。2022年からファーストソリストを務めている。同団のプリンシパルに就任した日本人は吉田都や佐久間奈緒らに続き6人目。
「また新しいスタート地点。今まではプリンシパルじゃないけどその役を踊れるという心の余裕があったけれど、これからは自分のケアを含め、団のみんなを率いていく責任感を持ってやっていけたら。一回一回の舞台を大切にして楽しいと思える心をなくさないように頑張りたいです」