身に覚えのないことで謝罪させられ、処分され、報道され、訴訟まで起こされてしまったら…。映画「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」(三池崇史監督・公開中)は実際にあった出来事を基にしていて、原作はジャーナリスト・福田ますみさんのルポルタージュです。
2003年、小学校の教師(綾野剛)が、今で言うモンスターペアレント(柴咲コウ)から、児童への身に覚えのない体罰や自殺強要について猛抗議されます。
児童の顔にちょっと触れた時のことを言ってるのかな? 記憶と返事が曖昧になってしまうと、校長と教頭は慌てふためく。事態を収めるため、教師は仕方なく謝罪します。
しかし、教育委員会から停職6カ月の懲戒処分が下るどころか、メディアから「殺人教師」とセンセーショナルに報道され、ついにはモンスターペアレントから損害賠償を求める民事訴訟を起こされ、孤立無援で法廷に立つ…。
同じ日の出来事が、保護者と教師、それぞれの視点で描かれます。私は、そうして示される情報に、いとも簡単に流されてしまう自分に気づいて、猛反省しました。法廷劇になっていきますが、構成や編集に無駄がなく、のみ込みやすい。では、ルポが原作とはいえエンターテインメント映画として見やすくしている演出はどんなところ? 意外にも原作からしてそうだったんだ!という要素は何? YouTube「うるおうリコメンド」(略称うるりこ)で、記者さんたちと詳しくお伝えしていますので、ぜひご覧ください。
▼今回の動画URL
https://youtu.be/WHfZa-l2Rg4
▼「でっちあげ」2025年6月27日(金)全国公開
・出演:綾野剛 柴咲コウ
亀梨和也 / 大倉孝二 小澤征悦 髙嶋政宏 迫田孝也
安藤玉恵 美村里江 峯村リエ 東野絢香 飯田基祐 三浦綺羅
木村文乃 光石研 北村一輝 / 小林薫
・監督:三池崇史
・原作:福田ますみ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)
・配給:東映
【やまざき・あみ】タレント、モデル。写真集「Cantabile」(ワニブックス)発売中。1997年生まれ、東京都出身。音楽大卒。Netflix映画「シティーハンター」出演。フジテレビ「ラフ’s ラボ」レギュラー。