那須塩原市塩原地区の山間部で6日早朝から午前にかけ、人がクマに襲われて負傷する被害が2件相次いだ。高齢男性2人がけがをし、1人が重傷でもう1人は軽傷。同日午後にも近くでクマの目撃があり、3件に同一個体が含まれているかは不明。那須塩原署や市は、地元猟友会と連携して周辺パトロールを強化し、警戒を呼びかけている。
署や市などによると、午前5時半ごろ、上塩原、無職男性(85)が自宅庭先の斜面でつるの除去作業中、体長約1メートルのクマに背後から尻の左側をかまれ、軽傷を負った。男性が振り返り、大声を出すと逃げていった。現場は塩原B&G海洋センターから北に約100メートル。周辺は民家などが集まっており、5月下旬以降、複数の目撃情報があった。
同10時半ごろには、北東に約3キロ離れた中塩原の山林内で、写真を撮りに来ていた那須町、会社員男性(77)が親子とみられる体長約1・7メートルと約1メートルのクマに遭遇。1頭にかまれるなどし、頭や左腕、左脚などに計30針以上を縫う大けがをした。背後から物音がして振り向いたところ、襲われたとみられる。
午後2時20分ごろには、無職男性宅から北西に約900メートルの山林内で、体長約1メートルのクマ1頭が木に登っているのを近所の人が目撃した。
無職男性は下野新聞社の取材に「前触れもなく、痛みで大声を出して振り返ると、かみついたクマが離れたのが見えて驚いた。見慣れてはいるので、クマと分かってからは冷静に対応できた」と振り返った。
市内では、今回の現場から東に約20キロの埼玉(さきたま)の市街地で6月30日、同市、農業男性(73)がクマに襲われ重傷を負う被害も発生している。
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