市発祥の学校給食メニュー「インド煮」

市発祥の学校給食メニュー「インド煮」

 鹿沼市には半世紀にわたり愛され続けているソウルフードがある。市発祥の学校給食メニュー「インド煮」だ。小中学校の定番メニューとして“君臨”し、かぬまっ子の胃袋と心をがっちりとつかんできた。どんな料理か。考案者の元栄養士大西和子(おおにしかずこ)さん(74)=同市千手町=を直撃した。

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 肉じゃがっぽい煮物だが、食べると甘みと酸味が口の中に広がり、ほんのりとカレー味がする。具はしっかりと煮込まれて軟らか。さつま揚げやウズラの卵も入ってボリューム満点だ。市特産のこんにゃくが、ご当地色を醸し出している。

 インドゆかりの料理ではない。誕生は1970年代半ば。当時、市学校給食共同調理場に勤務していた大西さんが、職場の仲間と作り出した。「給食の主食のパンに合う煮物を作りたかった」と大西さん。子どもが好きなカレー味を取り入れ、栄養バランスや地産地消にも配慮したという。

 名前をインド煮としたのは「インドといえばカレーというノリ」と大西さんは笑顔で明かす。彩り、マイルドな味わい、ウズラの卵を取り入れた目新しさ…。子どもたちには予想以上にウケた。

 2014年、市民有志団体「カヌマ大学」は、インド煮を地域資源として売り出そうと動き出し、PR活動などを展開。大西さんの監修で公認レシピを作って、試食会などを開催した。

 そのレシピを大西さんに伝授してもらった。カレーライスを作るように具材を切って、炒めて、煮込んでと、案外簡単。ぜひ夏休みに親子で作ってほしいと思った。お父さんの手料理とするなら、ピリ辛にアレンジし酒のつまみにするのもいい。ただ、煮込む際は「ケチャップが入るので焦げやすい」ため、注意が必要だ。