第107回全国高校野球選手権栃木大会第7日は19日、宇都宮市のエイジェックスタジアムと清原球場で3回戦4試合が行われ、幸福の科学学園のエミール・プレンサが九回に同点ソロ、タイブレークの延長十一回に2打席連発となるサヨナラ満塁本塁打を放ち、10-6で小山西を下して初の8強入りを果たした。

打席に鋭い金属音を残し、白球が場外へ消える。幸福の科学学園の4番エミール・プレンサが同点の延長十一回、激戦に終止符を打つグランドスラム。どよめきの中で雄たけびを上げながらダイヤモンドを一周し「めっちゃ気持ちいい」と満面の笑みで喜びに浸った。
チームは六回終了時までに無得点で5点ビハインド。自身は七回に凡退し、それが最後の打席となる可能性もあった。
しかし、諦めなければ何かが起こる。チームがつなぎ、1点差に迫った九回1死に打席が回る。「狙っていた」とカーブをすくい上げるように打つと、ボールは梅雨明けの夏空を切り裂いて左中間席に飛び込んだ。起死回生の一打が、2打席連続となるサヨナラ弾につながった。

自慢の打撃力を磨き続けている。「毎日練習した。雨でも素振り、めっちゃやった」。その積み重ねが、ここ一番での一振りに表れた。棚橋誠一郎(たなはしせいいちろう)監督も「持ってるよねぇ」とうなる勝負強さだ。
チームを初の8強に導いたドミニカ共和国出身の男は「甲子園で校歌を歌いたい」と力強く語る。そして今大会はまだ登板していない背番号1。まだ人々を驚かせる可能性を秘めている。

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