【大田原】県が調査を進める湯津上の国指定史跡・下侍塚古墳で19日、成果を紹介する現地説明会が開かれた。古墳愛好家ら計124人が参加し、古代のロマンに思いをはせた。
同古墳は古墳時代前期に築造された全長84メートルの前方後方墳。江戸時代に徳川光圀(とくがわみつくに)の命で日本初の学術的発掘調査が行われたことでも知られる。県埋蔵文化財センターが昨年度から調査を実施している。
説明会は午前と午後の計2回開かれた。同センター職員がトレンチ(試掘溝)を回りながら調査成果を説明。葺(ふ)き石の位置などから近くの上侍塚古墳と同じ特徴があることや、江戸時代の古墳修復時の盛り土などを紹介した。昨年度の調査で見つかった埴輪(はにわ)の破片も展示され、参加者は目を凝らして観察していた。
同古墳を何度も訪れているという矢板市乙畑、相馬英夫(そうまひでお)さん(68)は「詳しく分かりやすい説明でより一層興味が湧いた。古代の人々の苦労や営みも感じられた」と話した。