第107回全国高校野球選手権栃木大会最終日は27日、宇都宮市のエイジェックスタジアム(県営本球場)で決勝が行われ、青藍泰斗が延長十回タイブレークの末、4-3で作新学院に競り勝ち、校名変更前の葛生時代以来35年ぶり2度目の優勝を飾った。決勝が延長タイブレークで決着するのは史上初めて。

青藍泰斗は1点を追う八回、1死から敵失の走者を二塁に置き、佐川秀真(さがわしゅうま)の左越え適時二塁打で追い付いた。試合は九回を終えて2-2と決着がつかず、無死一、二塁から始まるタイブレークによる延長戦となった。十回の青藍泰斗は犠打で走者を進めると、1死二、三塁から上畠光雲(かみはたてるも)、鈴木俊世(すずきしゅんせい)の連続適時打で2点を勝ち越した。その裏、先発左腕永井竣也(ながいしゅんや)が無死満塁のピンチを背負ったが1失点に抑えた。
作新学院は二回に先制を許したが、四回に先頭葭葉慶治(よしばけいじ)が中前安打で出塁し、敵失に足を絡めて2得点し、一時はリードを奪った。2点を勝ち越された十回は無死満塁の好機をつくり打撃妨害で1点を返したが、後続が併殺に倒れるなど、あと一本が出なかった。
全国高校野球選手権は8月5日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕。組み合わせ抽選会は8月1日にオンラインで5日開会式直後の開幕試合の抽選を行った後、3日に本抽選を行う。

ピンチでも「強気に」
昨年敗れた準決勝から365日。青藍泰斗は作新学院を下し、35年ぶり2度目の甲子園への切符を手にした。佐川秀真(さがわしゅうま)主将は「あの悔しさを晴らすために1年やってきたので」と感慨深そうに陽光を浴びた。
決勝初の延長タイブレーク突入。無死一、二塁から代打清水将乃介(しみずしょうのすけ)が第1ストライクで犠打を決め、上畠(かみはた)光雲(てるも)は「勢いをつなげる」と適時右前打。ここまで4打席無安打の鈴木俊世(すずきしゅんせい)は「何としても俺が打つ」。直球をはじき返し、連打で決勝点を呼び込んだ。
ここぞの粘り強さも光った。2点をリードした直後の守備は、無死満塁から打撃妨害で1点差に詰められ、捕手上畠は「動揺した」。
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