伝統的な技法で和紙をしぼり、布のような柔らかい手触りを生み出している「下野しぼり」。県伝統工芸品や小山市無形文化財に指定されている逸品だ。

 同市では、下野しぼりの和紙で作った「下野人形(ひとがた)」を紙の小舟に乗せ、願いを込めて思川に流す「思川の流しびな」が毎年7月に行われ、夏の風物詩として親しまれている。下野しぼりの技術を継承する県伝統工芸士の諏訪(すわ)ちひろさん(65)=同市城東1丁目=を訪ね、下野人形の制作を体験した。

 人形は背丈約7センチ。キッチンペーパーで作った頭と胴体に、下野しぼりの和紙でできた着物や帯、カツラなどを着せて仕上げていくという。