もしかして、うちの子の頭の形、いびつかも…?

 乳児を育てる中で、そんな不安を抱いたことがある保護者も多いのではないでしょうか。赤ちゃんの頭がゆがむ原因や予防法、治療について自治医大脳神経外科臨床助教の小熊啓文(おぐまひろふみ)医師(44)に聞きました。ヒントは、普段の生活に隠れているようです。

 

 赤ちゃんの頭がゆがむ原因は「病的頭蓋変形」と「位置的頭蓋変形」の二つがあります。病的頭蓋変形は、骨が早期にくっついてしまう頭蓋縫合早期癒合症という病気が代表に挙げられ、2千~3千人に1人の割合で発症します。

 位置的頭蓋変形は、多胎妊娠など子宮内の環境によるものや分娩(ぶんべん)時の圧迫、生後に同じ方向を下にして寝る「向き癖」など外部からの圧力が原因になるものがあり、多くの赤ちゃんの頭のゆがみが、この位置的頭蓋変形によるものです。

 ゆがみの形に応じて「斜頭症」「短頭症」「長頭症」に分けられます。

 赤ちゃんの頭の骨は柔らかく、特に生後3、4カ月頃までは非常に変形しやすい時期とされています。