
2016年に甲子園で作新学院が優勝してから9年。埼玉西武の今井達也(いまいたつや)投手、横浜DeNAの入江大生(いりえたいせい)投手と、当時の優勝メンバーがプロ野球で活躍している。
2人の活躍が目立つ中、当時のメンバーには、社会人で競技を続けている選手も3人いる。いずれも今年の都市対抗地区予選を勝ち抜き、28日に開幕する本戦で、再び全国制覇を目指す。3人に当時の作新メンバーや高校卒業後のキャリア、本戦への意気込みなどを聞いた。2回目は、JFE東日本(千葉市)の宇賀神陸玖(うがじんりく)投手。

甲子園準決勝、明徳義塾(高知)戦。10-2の六回、宇賀神は聖地のマウンドに初めて立った。「緊張はしなかったです。『ああ、俺甲子園で投げてるな』って。夢の舞台すぎて、あまり覚えていないですね」
完投が続き疲れの見えた今井から継いだ。七回に1死満塁のピンチを迎えたが、要所を締めて3回無失点と好投。「ライトには今井がいるし、入江も控えている。必死で投げました」
八回まで投げきった後、小針崇宏(こばりたかひろ)監督から「ファースト守れるか」と聞かれた。中学、高校と経験はない。「そんなできません、なんて言えませんよね」。入江にマウンドを譲り、野手からグラブを借りて再びグラウンドへ。内野ゴロ2つと守備機会もあった。「送球は速いし、すごく緊張しました。いい思い出です」

今井と入江は“憧れ”だった。軟式出身の宇賀神は入学直後、練習グラウンドにすら入れない中、2人は投手陣の練習に参加し、練習試合でも投げていた。「2人のとんでもない球を見て、本気で甲子園を目指して作新に入ったやつの実力ってこれなんだと」
残り:約 1692文字/全文:2521文字
下野新聞デジタルに会員登録すると…
- 事件事故や高校野球・イベントなど速報でとちぎの「今」が分かる
さらにスタンダードプランなら…
- デジタル有料記事の大半が読める
- 教育や仕事に役立つ情報が充実
愛読者・フルプランなら…
- アプリも使えて、おくやみ情報もいち早く