鹿沼市街地から北西へ車で約15分。緑豊かな山あいを進み、大芦川に架かる橋を渡ってすぐの小道を右折すると、生い茂る木々に囲まれた木造局舎と赤いポストが見えてきた。入り口の上にある木板には「東大芦簡易郵便局」の文字。どこか懐かしく、まるでタイムスリップしたような情景だ。

レトロな木造の局舎の東大芦簡易郵便局
レトロな木造の局舎の東大芦簡易郵便局

 記者が車を降りると、簡易郵便局長の岩本佳純(いわもとよしずみ)さん(40)と母の多加子(たかこ)さん(67)が出迎えてくれた。局舎内に入るとカウンターがあり、手前には木製のベンチ。開け放たれた木枠の窓の外からはセミの鳴き声が聞こえた。