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 7月25日、西部のチャングワリ難民居住地を訪れた。面積は91平方キロメートル。栃木県益子町ほどの広さに約15万人が暮らす。内戦が続く隣国コンゴ(旧ザイール)からの難民が97%を占め、大半が子どもや女性だ。内戦で親を失った子も珍しくない。

 「トラウマ(心的外傷)を抱えた子が多いのでケアが不可欠です」。支援を行うNPO法人「難民を助ける会」の秋山広輔(あきやまこうすけ)さん(27)は、子どもたちの保護に心を砕く。特に女子は虐待や性被害のリスクが高い。

チャングワリ難民居住区の子どもたちに寄り添う秋山さん(左)
チャングワリ難民居住区の子どもたちに寄り添う秋山さん(左)

 現地で同会が支援する、「エンジェル」と呼ばれる女児(11)に出会った。コンゴから逃れた両親は別の居住区で病死。暗く狭いれんが造りの家で、盲目の祖父(86)と生活する。

 近年、外国の食糧援助はウクライナやガザに向かい、チャングワリへの供給は減った。「食べ物を探すのが大変」。女児は消え入りそうな小声で話した。

チャングワリ難民居住地で暮らす、「エンジェル」と呼ばれる女児(右)。盲目の祖父(中央)を支えながら生活している
チャングワリ難民居住地で暮らす、「エンジェル」と呼ばれる女児(右)。盲目の祖父(中央)を支えながら生活している

寛容な難民政策

 ウガンダ国内の難民は7月末時点で193万人。栃木県の人口より多く、今年1月から12万人以上増えた。隣接する南スーダンやコンゴの政情不安で十数年前から流入が加速。大陸最大の受け入れ国になっている。

ウガンダ西部のアルバート湖に沈む夕日。対岸のコンゴ(旧ザイール)から紛争を逃れようと人々が湖を渡るが、途中で命を落とす人もいる
ウガンダ西部のアルバート湖に沈む夕日。対岸のコンゴ(旧ザイール)から紛争を逃れようと人々が湖を渡るが、途中で命を落とす人もいる

 難民を「キャンプ」に収容する他国と違い、ウガンダは難民に土地を無償提供し、移動や就業の自由も認める。チャングワリにも売店が並ぶ通りがあった。

 なぜ、こうした寛容な難民政策を採るのか。

 国際協力機構(JICA)の國弘純(くにひろじゅん)さん(31)は