ファイナル演奏直後の稲沢朋華さん(木川宗一郎氏撮影、ピティナ提供)

 国内最高峰のピアノコンクールの一つ、ピティナ・ピアノコンペティション「特級」のファイナルが東京都港区のサントリーホールで行われ、グランプリに香川県三豊市出身で桐朋学園大4年の稲沢朋華さん(21)が選ばれた。

 「特級」は115人がエントリーし、1~3次予選、セミファイナルを経て、ファイナルは4人が進出した。

 稲沢はファイナルでベートーベンのピアノ協奏曲第3番を演奏。会場の投票による「聴衆賞」と、コンクールのサイトからのオンライン投票で決まる「オンライン聴衆賞」も受賞した。

 受賞後の会見で「結果以上に、演奏に自分が納得ができたのが一番うれしかった。お客さまにも届いたという実感がありました」と喜びを語った。今後については「クラシックをこれからも勉強したいし、編曲したりポップスを弾いたりするのも好きなので、いろいろな面を見つけていきたい」と笑顔を見せた。

 「特級」はピティナ・ピアノコンペティションの中で、年齢制限のない最上位クラス。国際コンクールへの登竜門ともされる。

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 「クレッシェンド!」は、若手実力派ピアニストが次々と登場して活気づく日本のクラシック音楽界を中心に、ピアノの魅力を伝える共同通信の特集企画です。