しもつけ21フォーラムで講演する佐々木氏=29日午後、宇都宮市本町

 しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)の8月例会が29日、宇都宮市内で開かれ、オタフクソース(広島市)の佐々木孝富(ささきたかとみ)社長(57)が「食文化は1日にしてならず~オタフクソースが広島から広めたい幸せ~」と題して講演した。お好み焼きとともに発展してきた同社の歩みを紹介した。

 佐々木氏は、主力商品「お好みソース」の開発経緯について、お好み焼き店の要望から「とろみ」のあるソースを生み出し「口コミやマスコミによって全国に広まった」と振り返った。

 同社が注力するお好み焼きの普及活動についても説明。店舗の開業支援や普及活動の専門部署設立といったユニークな取り組みの他、お好み焼き店にソースポットやヘラ、皿などを無償提供し存在をアピールしてきた。「手間はかかっても、汗水を流して人と対話するのが一番」と強調した。

 近年はインバウンド(訪日客)向けの商品作りや試食・体験イベントにも力を入れ「食を楽しみに来ている人たちにうまくアプローチしていきたい」と話した。日光市木和田島の日光工場については、敷地内に新工場を建設中で「もっと栃木のために何ができるか考えていく」と語った。

 佐々木氏は広島県出身。慶応大卒業後、三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)勤務を経て、1995年にオタフクソース入社。常務、専務を歴任し2020年から現職。