酒類卸小売業の嶋田屋本店(鹿沼市西茂呂3丁目)がJR宇都宮駅東口前の複合施設・ウツノミヤテラス内の「嶋田屋酒店宮みらい店」に、県内ほぼ全蔵の日本酒などを立ち飲みできる「角打ち」専門店を開店して4カ月が過ぎた。月に2千人近く利用するというから、確実に栃木県の新たな人気スポットになっていると言っても過言ではないだろう。
客層は多様だ。若者からシニア、女性もいれば親子もいる。旅の途中で立ち寄った旅行客や外国人旅行者もいれば「栃木の地酒」目当てに県内外から訪れるファンもいる。土日など休みの時にはグループ予約が多く入り、ほぼ満席状態が続く。


単身赴任で宇都宮市の会社に勤務する男性(58)は「会社帰り、週に3日くらいは来る。ボトルを買わなくても、いろいろな銘柄・季節の酒・お薦めの酒がグラスで飲めるのがいい。1人で飲むより楽しい」とグラスを傾けていた。
「角打ち」とは、酒屋で購入した酒を店内でそのまま飲むことだとされる。四角の升(ます)の角に口を付けて日本酒を飲んだことから言われるようになったという説が有力で、現在は酒屋の一角に設けられた立ち飲みできるコーナーで飲むこと、さらに立ち飲み居酒屋を指す場合もある。今では若者向けにおしゃれ感覚を取り入れた「ネオ角打ち」も現れているという。
発祥は、北九州の八幡製鉄所の夜勤明けの労働者が朝から開店している酒屋で酒を買って飲んだのが始まりという。それが全国に広がったというのだ。