アニメ「ダンダダン」のキャラクターと登場したアイナ・ジ・エンド(中央)=5日、東京都新宿区

 取材に応じたアイナ・ジ・エンド=5日、東京都新宿区

 東京・歌舞伎町でパフォーマンスするアイナ・ジ・エンド(中央)=5日、東京都新宿区

 東京・歌舞伎町でパフォーマンスするアイナ・ジ・エンド(右から2人目)=5日、東京都新宿区

 アニメ「ダンダダン」のキャラクターと登場したアイナ・ジ・エンド(中央)=5日、東京都新宿区  取材に応じたアイナ・ジ・エンド=5日、東京都新宿区  東京・歌舞伎町でパフォーマンスするアイナ・ジ・エンド(中央)=5日、東京都新宿区  東京・歌舞伎町でパフォーマンスするアイナ・ジ・エンド(右から2人目)=5日、東京都新宿区

 アイナ・ジ・エンドの新曲「革命道中 On The Way」が音楽チャートの“台風の目”になっている。「Mrs. GREEN APPLE」や「HANA」が席巻するビルボードの国内チャートにくさびを打ち込み、最高5位まで上昇。海外で聞かれる日本語曲のランキングでも首位に立ち、9月6日付のビルボードの世界チャート「Global 200」にも196位にランク入りする快挙を果たした。(取材・文 共同通信=森原龍介)

 CD発売を記念して9月5日夜には新宿・歌舞伎町の広場でサプライズライブも開催し、1曲目に「革命道中」を披露。ハスキーな声で「唸るぜ」と歌い出す冒頭から、ダンサブルな楽曲の魅力があふれ出し、駆け付けた約3千人の観客を喜ばせた。台風の影響も懸念されたが、夕方には雨が上がり、ライブ直前の取材では「私“虹女”なんで、力を発揮できた」と満面の笑みを浮かべた。

 人気アニメ「ダンダダン」第2期オープニング曲として7月に配信開始されるやいなや、交流サイト(SNS)で話題が沸騰した。SNSでの総再生回数は9月初旬時点で6億回を超えたという。

 最大の魅力が鋭くひずむアイナの声にあることは間違いない。「血泥」といったインパクトの強い歌詞に負けない動物的な力強さを感じさせる歌声が、スピード感のあるスリリングな曲をグイグイとけん引する。

 他方で「意識しないと、のどが鳴って、ひずみが多くなっちゃう。アニメの絵がすっと入りやすいように、声のクセをなるべく減らしてクリーンな声でレコーディングした」とも語る。

 曲の場面によってあえてハスキーボイスを封印し、力の抜けたキュートな歌声を響かせる。いくつもの曲を一つにまとめたような多面的な構造と、聞くたびに表情が変わるような多彩な歌声が、何度聞いても飽きさせない魅力を構成する。

 10年来の盟友というShin Sakiuraと共作した同曲。ビルボードの海外で聞かれる日本語曲のランキングでは、イギリスと台湾で1位に、ブラジルとドイツで2位になるなど、世界中で聞かれている。アイナは「正直、あまり実感がない。友だちがもっとカラオケで歌ってくれたら実感が湧くと思う」と冗談めかす。

 2023年6月に、6人組ガールズグループ「BiSH」が解散。以来、岩井俊二監督の映画「キリエのうた」に主演し、昨年にはソロで日本武道館公演も開催するなど、着実にステップアップしてきた。

 「6人でずっと歌っていたので、1人でステージに立つことが怖かった時もある。ネットでの罵詈雑言が怖い時もあったけど、武道館を終えた辺りで覚悟が決まった。ちょっとずつ地に足が付いてきた」

 10代の頃は歌よりもダンスだった。BiSH時代はメンバー全員の振り付けを自分で考えた。「私は結局、ダンスなんだろうなと思ってたんですけど、自分で作った楽曲を聞いていただける機会が増えて、これからギアを上げて、作詞作曲もやっていきたいと思えるようになりました」

 かつては、自分の歌声があまり好きではなかった。「ものすごく強い武器だと思うけど、日によって、まだうまいことコントロールできていないこともある。もうちょっとしたら好きになれる気がします」

 10月から全国ツアー「革命道中」が始まり、12月20日にはライブ「nukariari」を東京ガーデンシアターで開く。

 「抜かりなく生きる、とか言うじゃないですか。その『抜かりなく』が自分の人生ではできないなって思った。『抜かり』はあっていいじゃないか。そんな『抜け感』があるライブにしたい」