真岡市複合交流拠点施設「monaca(モナカ)」が1月下旬に開館してから半年が過ぎた。約3カ月で来館者が10万人を突破するなど順調な滑り出しだ。指定管理者である「シダックス大新東ヒューマンサービス」(東京都)の社員で、総括責任者を務める久保田有紀(くぼたゆき)さん(48)に手応えや展望を聞いた。
-半年間の手応えは。
「幅広い世代の来館者でにぎわい、居心地の良い(家でも職場・学校でもない)サードプレイスが実現できていると思う。新聞を読む年配者の隣で、親子連れが食事を楽しむ姿などが日常的にある。建物の設計段階から運営側の意思を反映させる方式が生かされている。地域交流、子育て支援、図書館の3機能を一元的に運営する施設は珍しく、これまでに全国から約40件の視察を受け入れた」
-当初見込みより早く来館10万人を突破した。
「最初の1年の来館者数を20万人と想定したが、5月で10万人、8月には20万人を達成できた。本年度末までに計38万人の来館を見込んでいる。早い時間帯は年配者、日中は子育て世代、夕方は学生や社会人と訪れる人が絶えない。もっと多くの人に利用してもらえるようにしたい」
-多彩なイベントも行われている。
「モナカは複合施設であり、多様な利用の仕方を大切にしている。それだけにイベントを数多く仕掛けている。特に図書館では夏休みの8月に22日間、読み聞かせや司書体験などの催しを開いた。9月は15日間の予定。イベントを通じての地域交流が浸透してきている。職員はそれぞれの担当を越えて連携し、イベント運営に当たってくれている」
-市民主体の施設となることを目指している。
「市民協働組織となる一般社団法人『つむぐ』(仮称)を10月に設立し、指定管理期間の15年間でモナカの運営業務を指定管理者から法人へ段階的に移行していく。併せて市民が主体となったまちづくり活動を行う。法人の役員になる市内の各団体の代表者らは、今後の活動にとても期待している。さまざまな仕組みづくりや、市民が活動したい気持ちを支えることに力を尽くしたい」
-今後の展望は。
「モナカを一言で表現すると『未来』だと思う。モナカの運営を支えたり、好きな活動をしたりするサポーター制度を4月に導入したところ、135人が集まった。設立する法人も加えて、市民の理想的なまちづくりにつながるようになれば。開館から半年が過ぎ、次の段階を迎えている。単に施設を利用するだけでなく、人と人や、来館者と地域がつながっていくことをプロデュースしたい」
【略歴】上三川町生まれ。会社員を経て起業し、婚礼事業などを手がける。2021年から、在住する真岡市のまちづくり活動に参加。昨年4月から現職。