被災者の声を基に開発した防災下着を紹介する梅井さん=11日午後、宇都宮市

 大阪府の下着メーカー「ヘブンジャパン」は11日、災害の避難時に女性が下着を備える大切さを啓発するため、JR宇都宮駅の駅ビル「パセオ」で期間限定の販売コーナーを設置した。衛生面や避難生活のストレスを考慮して開発した、ワイヤがなくコンパクトに折りたためるブラジャーとショーツのセットなどを扱っている。17日まで。

 同社は2019年の房総半島台風や24年の能登半島地震などを含め、これまで被災地に約2500枚の下着を届けてきた。24年に行った調査では「防災バッグに下着を常備している」と答えた割合は約16%にとどまった。

 店舗では東日本大震災の被災者の声を反映して開発した「防災下着セット」などを展示、販売している。「給水車が来るまで洗えない」「人目が気になって干しにくい」といった悩みを参考に、速乾性と伸縮性に優れた素材のハーフトップブラジャーやショーツ、使い捨てコットンシートを組み合わせたセットが並ぶ。

 広報担当の梅井佑希子(うめいゆきこ)さん(34)は「(下着の備えは)盲点だったという声が多く、必要性が十分認識されているとは言い難い。当たり前に身に着けるものだからこそストレスなく着られるものを準備してほしい」と話した。