矢板東高・同付属中PTAの高塩会長(右)と矢板東高の大牧校長

 【矢板】文部科学省はこのほど、津市で本年度の優良PTA文部科学大臣表彰の表彰式を行い、矢板東高・同付属中のPTAが県内で唯一、高校・中学の部で表彰された。PTA活動への参加を促すため2021年度からボランティア制度を導入し、ビジネスチャットアプリを活用して協力体制を構築したことなどが評価された。同PTAの高塩容子(たかしおようこ)会長(53)は「これまで積み上げてきたものが評価された」と胸を張った。

 文科省はPTAの健全な育成と発展に寄与しようと毎年度、優秀な実績を上げた団体を表彰している。県高校PTA連合会と県が本年度、同PTAを推薦。全国から27団体が同表彰を受賞した。

 同PTAは20年度、新型コロナウイルス禍によって学校行事中止やPTA活動自粛を余儀なくされたことから、組織の在り方を見直した。

 以前から活動に参加しない会員が増えていたことなどを踏まえ、21年度にスポット参加が可能なボランティア制度に切り替え、多くの会員が参加しやすいようにした。

 現在は総務委員会など通年で活動する「ワンイヤー」と、学校行事などの際にスポットで入る「ワンデー」に区分。入学式などの際に活動参加を呼びかけ、希望者にはビジネスチャットアプリ「Slack(スラック)」を通じ、人手が必要な時に協力を募っている。

 「できる人が、できる時に、できることを」を合言葉に、気軽に参加できる環境を整えた。登録会員も21年度は100人ほどだったが、本年度は348人に増えた。ワンデーで活動してから、ワンイヤーへ切り替えた会員もいるという。

 「アプリだと突然誰かが欠席しても、代役を立てやすい。ボランティア制度になって5年目。会員にも浸透してきた」と高塩会長。同高の大牧稔(おおまきみのる)校長(59)も「新しい形で多くの会員が参加してくれることで、学校の諸活動が円滑に運営できている」と感謝した。